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ペットにあげてはいけない食べ物といえば
まっさきに思いつくのは・・・
チョコレートと
ネギ類ですね。
チョコレートに含まれる「テオブロミン」というアルカロイドの一種は、犬や猫にとって有害です(人間でも高濃度であればもちろん有害)。
ネギ類は「アリルプロピルジスルファイド」(舌噛みそう)という成分が、いわゆる「たまねぎ中毒」を引き起こします。
こうした食品がペットに有害であることはみなさんご存知のことと思います。あとは折れると危険な鶏の骨とか。
ところが最近、ペットに関する本を読んでいると、ある意外な食品が危険であるという話題を見つけました。それがこれ。
えっ、ぶどうが危険!?
はい。ぶどうです。
とくに干しぶどうが危険だとされているようです。私が本やインターネットで調べたところによると、犬に大量に与えると腎不全を引き起こし、死亡例もあるとのこと(猫は与えても普通食べない)。死亡例!?これはかなり危険な食品と考えるべき?
ぶどうが危険な理由は?量は?
しかし、不思議なことにどの文献を調べても「原因物質」についてはまったく書かれていません。どうも「ぶどうに含まれる何が危険なのか」はまったく特定できていないらしいのです。もともとぶどうに含まれる成分によるのか、残留農薬の影響なのか、それさえもよくわかっていません。
そしてある文献によると「体重1kgあたり10~30gくらいの量で中毒の危険」とあります。ん?あいだをとって20gとして、体重10kgの平均的な柴犬だとすると……
200g。200g!?お茶碗山盛り一杯ですよ。
そんなに大量の干しぶどうを犬のように一気食いしたら、人間でも具合が悪くなりそうですね……
そもそも食べさせる必要がない
腎不全うんぬんの前に、そもそも犬は肉食動物である狼から進化した生き物です。植物質の食べ物を消化するのはそんなに得意ではありません。
ただでさえ消化しづらいものが、さらに乾物になってるわけですから、余計悪影響です。
それを大量に与えるなんて普通では考えられませんね。
しかも犬と人間の身体では代謝の仕組みが違います。たまねぎやチョコ同様、人間にはあまり影響がない量でも犬や猫には致死量、ということもあります。
その動物が本来食べる必要のないものを大量に与える、というのはそれがなんの食品であっても避けるべきでしょう。
ぶどうが悪い、というよりヘンなものをあげる飼い主の問題
調べていると「意外と知られていない危険な食品!」とか「ぶどうは絶対にあげてはいけません!」みたいなセンセーショナルな見出しの記事がたくさん出てきますが、別に意識
しなくたって普通はあげないですよ。
考えられる状況としては「家に大量のレーズンがあるときに、犬に食べられないように保管場所に気をつける」くらいでしょうか。そういう状況はあまりなさそうですが。笑
そんなわけでぶどうで中毒死、というのは少々特殊な事例と考えてもよさそうです。
ちなみに人間はしいたけを生で食べると中毒します。が、普通そんなことはしないので問題になりませんよね。犬とぶどうも同様だと思います。なんとなく、その情報だけが独り歩きしているような違和感を感じます。
一部のセンセーショナルな情報に注目するだけでなく、そもそもの動物の食性や生態など、総合的な知識を積み重ねていくことが大切ですね。