ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ・・・・・・
機嫌の良い猫がゴロゴロと喉を鳴らすのはよく知られています。あの音を聞くと、人間の方も気分がよくなって、余計可愛がりたくなっちゃいますよね。しかしこの喉鳴らし、メカニズムが十分に解明されておらず、実は謎の多い行動なんです。
喉鳴らしとは
喉鳴らし(のどならし)はネコ科およびジャコウネコ科の動物の一部が行う発声の一種である。低周波の音で、呼気と吸気の双方で発生する。生後2日目には聞かれるようになる。
調べてみるといきなり意外なことが書かれていました。喉を鳴らすのは猫だけじゃないんですね。ジャコウネコというのは、名前にネコと入っていますがあまり関係のない生き物です。イエネコはネコ科。ジャコウネコはジャコウネコ科。科が違うということは、だいぶ違う生き物だということです。日本では、外来種として知られているハクビシンがジャコウネコ科の生き物です。あいつ、喉鳴らすんですかね……不思議な感じです。
ちなみに日本で猫の喉鳴らしは「ゴロゴロ」という擬音で表現されますが、英語では「purr」です。喉を鳴らすことを「purring」と言うそうです。これも喉を鳴らす音が元になっているらしいんですが、発音は「パー」「パーリング」です。ゴロゴロ感がぜんぜんないんですけど・・・・・・これも謎ですね。笑
さて、この喉鳴らしにどんな秘密が隠されているのか。具体的に見ていきましょう。
意外な秘密その① 仕組みが不明
さてこの喉鳴らし、実は「どのように音を出しているのか」がよくわかっていません。別に専用の器官が喉にあるわけではなく、喉をどうしたらこんな音が出るのかが不明なのです。
仮説として「喉の筋肉を急速に収縮させることで声門を動かし、それによって声帯の急激な分離を引き起こすことであの音が出る」とされていますが、読んでもよくわかりませんね・・・・・・猫は喉で何だかよくわからない不思議なことをしているようです。
意外な秘密その② 理由が不明
何のために音を出しているのかが解明されていません。「気持ちいいから喉を鳴らしてるんじゃないの?」と思いがちですが、ではなぜ気持ちいいと喉を鳴らすのか?は不明なままです。
「人間で言う微笑みのようなものではないか?」とする仮説がありますが、だとすると猫は笑っているということになります。なんとなく納得ですが、ただ不思議と言うか、不気味と言うか……何ともいえない気持ちになります。
また、この仮説には異論もあります。実は、猫は病気で寝ているときや死の間際にも喉を鳴らすことがあるというのです。だとすると、快・不快といった特定の感情とゴロゴロは結びつかないことになります。この仮説では「猫は自らの精神的安定のために喉を鳴らしているのではないか」とされています。低周波の音が苦痛を鎮めるというのです。
だとすると、「気持ちがいいから喉を鳴らしている」のではなく、逆に「不愉快だから喉を鳴らしている」ということになります。常識が根底から覆される気分ですね。
そういえば、ウチの猫はお腹が空いているときや遊んで欲しいときはしきりに喉を鳴らしながらまとわりついてきます。欲求が満たされていないストレスを喉鳴らしで発散しているのかもしれません。
そんなわけで結局のところ理由はよくわかっていないのですが、イメージとしては「リラックスしているときにはゴロゴロ音が出るし、そうでないときもゴロゴロすれば気持ちが落ち着いてくる」と言ったところなのかもしれません。
意外な秘密その③ 同じネコ科でも・・・・・・
テレビのバラエティ番組で「トラやライオンは猫じゃらしにじゃれつくか?」「マタタビは効くのか?」といった企画をご覧になったことはありませんか?私が見た番組では猫じゃらしもマタタビも効果は抜群でした。やっぱり同じネコ科なんだなー、と思ったものです。
では喉鳴らしはどうでしょうか?やはり同じネコ科だから、みんなゴロゴロ言うのでしょうか?実はそうではないようです。
ネコ科の動物の中で、喉を鳴らすのがはっきり確認されているのはイエネコの他にチーター・ピューマ・ヤマネコなど。ライオン・トラ・ヒョウなどに関してはよくわかっていません。鳴らせたとしても、あまり上手ではないのではないか、といわれているそうです。
ネコ科の動物の中で大型のものは、ほえ声を出せるようになった代わりにゴロゴロ機能を失ったのではないか、とのこと。ではストレス発散はどうしているんでしょうね。わからないことだらけです。ネコ科、謎多し。
身近な動物にも不思議はいっぱい
ペットや動物園でおなじみの生き物の中にも、まだまだ秘密が隠されているんですね。そう思って自宅の猫を観察すると、一味違って見えてくるかもしれません。猫に限らず、動物の生態というのは興味が尽きませんね。