フード選びのポイント。猫の味覚はどうなってる?

シェアする

%e3%82%a8%e3%82%b5%e3%82%92%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%82%8b%e7%8c%ab
先日「犬の味覚」について取り上げましたが、今回は猫です。

猫の味覚は犬よりも鈍感?

犬の味蕾(味を感じる器官)は人間の1/5ほどしかありませんが、猫はさらに鈍感です。人間の1/10ほどしか味蕾がないようです。特に塩味に関しては犬同様鈍感であり、しょっぱいものでも平気で食べてしまいます。猫は腎臓の疾患が起こりやすい生き物なので、特に注意しなければいけません。

苦味・酸味には敏感

苦味には比較的敏感です。腐敗した肉類に生じるアミノ酸の中には苦味を生じさせるものがあり、これを避ける反応のようです。
一方、酸味については「不快」というより「おいしい」と感じている可能性があります。肉類に豊富に含まれるリン酸や、青魚に特に多いヒスチジンは酸味をもっており、いずれも猫が好む食べ物です。ちなみに、酸味を好むからといって柑橘類を与えてはいけません。肉や魚の酸味とは別物であり猫も嫌がりますが、万が一口に入ってしまうと猫には有害です。柑橘系のアロマオイルを舐めてしまって重篤な症状が出た、という話もあるので注意しましょう。

甘みをまったく感じていない!

そして、猫の味覚の最大の特徴は「甘さを感じない」という点です。
犬は大の甘党ですが、猫の舌には甘さを感じる味蕾が存在しないため、好んで食べることがありません。これは犬が雑食寄りの動物で、果物などの糖分をエネルギー源としてきたのに対し、猫がほぼ肉食の動物でありそのようなものを利用してこなかったことを意味しています。

たまに甘いものを食べる猫もいるけど……

「ウチの猫は甘いものも食べるけど?」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、その場合は注意が必要です。もしかしたら、普段の食生活の中でエネルギーが不足しており、本来食べるはずのないものを食べることで不足分を補おうとしているのかもしれないからです。
特に育ち盛りの子猫は注意が必要です。体が小さく、内臓の機能も未発達な子猫は空腹や運動で容易に低血糖に陥る可能性があります。子猫が普段食べない炭水化物や甘いものに興味を示すのは、ひょっとしたら低血糖のサインかもしれません。食生活を見直してあげましょう。
ちなみに子犬・子猫の低血糖に関する記事はこちら。

野良生活が長かった猫は雑食傾向あり

野良生活が長かった猫は、低血糖でなくても甘いものや炭水化物を好んで食べることがあります。いつ食べ物が手に入るかわからない野良生活では、何でも食べてエネルギーにしなければ生き延びることができません。その習慣が染み付いているのでしょう。ちなみにウチの猫も、白いご飯やトウモロコシ、イモ類に反応します笑

基本的に甘いものは不要

上記の低血糖や野良猫の例からもわかるとおり、「甘さを感じない」からといって「甘いものを食べても意味がない」というわけではありません。野良猫は色々なものを食べて生きているでしょうし、低血糖の猫はブドウ糖で回復します。普段は肉食の猫も、炭水化物(糖)をエネルギーとして利用する能力をちゃんともっているのです。
したがって、普段フードを十分に与えているのに更に甘いものまで与えてしまうと「食べすぎ」となり、肥満を始めとするさまざまな疾患の原因になります。また、穀類の与えすぎは消化器に負担をかけてしまうので、通常は与えるべきではありません。

味覚が鈍感な割には好き嫌いが激しい?

そんなわけで犬以上に味音痴な猫ですが、なぜかフードに対しての好き嫌いが極端な傾向があります。厄介な生き物ですね(笑)。これは原因ははっきりしていないのですが、生後の環境や食生活、猫本来の保守的で神経質な性格が関わっているようです。
対策としては、小さいうちから色々な種類のフードに慣れさせる・猫の食事環境に配慮する(食事スペースを清潔に保つ・静かな場所で与える)等が考えられます。
しかし、あまり猫のわがままに付き合っていると人間のほうが疲れてしまいますので、思い切って無視するというのも一つの手です。どうせ限界までお腹が空いたら食べますから(笑)。あまり甘やかすと調子に乗るので注意しましょう。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク